哀愁漂うハリウッドスター「ジェイ・ケリー」レビュー

映画

ジョージ・クルーニーの枯れたイケオジ具合が炸裂している良作。
少し大人向けかもしれない。
個人的評価80点。

「ジェイ・ケリー」あらすじ&主なキャスト

世界的ハリウッドスターであるジェイ・ケリーは、これまでの自分の人生は正しかったのかと悩む日々を送っていた。

そんなとき、ふとしたきっかけでヨーロッパを巡る旅に出ることになり、それまでの自分の人生と向き合うこととなる。
  • ジョージ・クルーニー
  • アダム・サンドラー
  • ローラ・ダーン
  • ビリー・クラダップ
  • ライリー・キーオ
  • グレイス・エドワーズ
  • ステイシー・キーチ
  • ジム・ブロードベント
  • パトリック・ウィルソン
  • イブ・ヒューソン
  • グレタ・ガーウィグ
  • アルバ・ロルバケル
  • ジョシュ・ハミルトン
  • レニー・ヘンリー
  • エミリー・モーティマー
  • ニコール・レッキ―
  • ザディア・グラハム
  • アイラ・フィッシャー
  • ルイス・パートリッジ
  • チャーリー・ロウ

「ジェイ・ケリー」はこんな人にオススメ

  • 哀愁のあるストーリーが好き
  • 大人向けな映画が観たい
  • 哲学的な映画が観たい

「ジェイ・ケリー」レビュー(ネタバレあり)

「イカとクジラ」、「マリッジ・ストーリー」を手掛けたノア・バームバック監督によるコメディ・ドラマ映画。
脚本もノア・バームバック監督が務めている。
主演をかの名優ジョージ・クルーニー、その主人公のマネージャー役をアダム・サンドラーが演じている。

シンプルに面白い、心動かされる映画だった。
ミッドライフ・クライシスに直面したイケオジが、今までの人生を振り返り、成功も後悔もすべて受け止めて希望を見いだしていく、切なくも感動的なストーリーである。

この映画、ジョージ・クルーニーがとにかく素晴らしい。
世界的ハリウッドスター役をここまで違和感なく演じられるのは、世界で見てもそう多くないはずだ。
ジェイのマネージャー・ロン役のアダム・サンドラーだが、今作では落ち着いた面倒見のいいマネージャー役を好演。
歳を重ねているが故の哀愁、それでもどこかチャーミングな男、ロンというキャラクターを見事に演じ切っている。
アダム・サンドラーが様々な役を演じられる、見事な役者だということが証明された。

この映画、ジェイがこれまでの人生を振り返る、ある意味ロードムービーのような映画である。
その旅のなかで、ジェイは何度も過去の自分と対峙する。
映画スターになりたくて、友達を蹴落としてでも成り上がろうとしていた自分。
娘に嫌われる原因となった、共演女優との浮気など。
若さゆえの過ちや、まだギラギラしていた過去の自分。
観ているこちらもジェイに感情移入して、めちゃくちゃ切ない気持ちになってしまった。
30代以降の人であれば、どこか感じ入るところがあるのではないだろうか。

またこの映画、マネージャーロンとの美しい友情物語でもある。
他のスタッフたちが愛想を尽かして消えていき、ロンも喧嘩の末仕事を辞めようとする。
しかし彼は仕事を辞めず、残ることを決める。

家族との時間を犠牲にしてきたことを悔いていたロン。
彼もまた自分の人生を見つめ直し、別の道に行こうとするが、これまでのジェイとの時間・絆からやはり一緒にやっていくことを決意する。
功労賞受賞式前の、ジェイとロンがお互いのスーツを直しあうところはなんともグッとくるシーンだった。
そしてこの後の、映画の最後の場面。
功労賞受賞式で、ジェイがこれまで演じてきた名作たちの映像が流される。
拍手と歓声を上げるオーディエンスたち。
そして途中からジェイだけが、過去の娘たちとの、本当に幸せだった記憶を見ていたのだった。
ここもとてつもなく切なく、印象的なシーンだった。
そして最後にジェイが「やり直せるかな、もうワンテイク」と言って映画は終わる。

人生は選択の連続である。
なんでもかんでも手に入るわけではない。
何かを手に入れるためには、何かを捨てなくてはならない。
なかなか残酷な真実である。
当たり前といえば当たり前なのだが、この映画を観てあらためて人生というものを考えさせられた。
そう、人生は取り戻せない、取り返しがきかないものなのだ。
ではあなたはどう生きていくのか?と問いかけてくるような映画であった。

総評

人生は映画の撮影、シーンの撮り直しのようにはいかない、儚いものだなぁとしみじみと感じた。
派手な映画ではないが、総じてクオリティは高い。
哲学的で考えさせられる映画、オススメである。

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