期待していたNetflixオリジナル映画が配信されたので、紹介&レビューを。
『ハウス・オブ・ダイナマイト』概要
前触れもなく打ち上げられた大陸間弾道ミサイル、標的はシカゴ。
その時が刻一刻と迫るなか、アメリカ政府はどうにかして最悪の事態を回避しようとする。
キャスリン・ビグロー監督による政治スリラー映画。
・主なキャスト
- レベッカ・ファーガソン
- アンソニー・ラモス
- イドリス・エルバ
- ガブリエル・バッソ
- ウィラ・フィッツジェラルド
- ジャレッド・ハリス
- ケイトリン・デヴァ―
- トレイシー・レッツ
『ハウス・オブ・ダイナマイト』見どころ紹介(ネタバレなし・まだ観てない人向け)
強烈なメッセージ性とリアリティに満ちた、政治系スリラー映画である。
この映画で描かれる内容は下手なホラー映画よりもよっぽど怖く、恐ろしい。
世界で幸せに生きている人々は、なんとなく平和な日々が崩れさることなく続くと信じている。
しかしその平和は、もしかしたらミサイル1発ですべて粉々になるかもしれない。
世界はそのくらいの状況になってしまっているのだと、この映画は警報を鳴らしている。
ハリウッド映画のようなドラマチックな演出は排され、ただ淡々と物語が描写されていく。
現実で起こったとしても、こんな感じで事態が進んでいくのだろうなという妙な生々しさがまた怖い。
映像や映画内のセットも安っぽさはまったくなく、ハイクオリティだ。
キャスト陣の演技も素晴らしい。
全体的に見どころの多い、良質な映画となっている。
以上、見どころ紹介終了。
『ハウス・オブ・ダイナマイト』レビュー(ネタバレあり・もう観た人向け)
かなり面白かったし、ズシンと心に残るような映画だった。
そして、怖すぎる映画でもあった。
何が怖いのかというと、この映画の筋書きはマジで現実に起こる可能性が高いということだ。
実際にアメリカに大陸間弾道ミサイルが放たれて、シカゴが消滅したらどうなるか。
アメリカは確実に報復に出るだろう。
またもしどこかの独裁国家のトップがトチ狂ったら?
独裁国家なので止める者はいない。
そして核でも撃とうものなら終わりである。
全面核戦争突入の可能性大だ。
映画のタイトル『ハウス・オブ・ダイナマイト』が示すとおり、世界は着火寸前のダイナマイトが詰められた家のような状況だ。
少しでも火の気配がしようものなら一瞬で吹き飛ぶ、そんな恐ろしさをひしひしと感じた。
非常に重たいメッセージを内包した映画だが、テンポもよく観やすい。
3人の登場キャラの視点から自体が描かれるのだが、どれもうまくつくられていて面白いと感じた。
特に娘がシカゴにいる国防長官の最後は切なかった。
ドタバタしながら必死に電話して対抗策を練り続けるジェイクも観ていて楽しい。
ときおり挟まれるブラックジョークも皮肉めいていて笑える。
迎撃ミサイルが500億ドルもかけているのに、コイントスの確率と同じなのか?ってやつとか大統領のまるでレストランのメニューみたいだなとか。
挙げてきたこれらの要素が上手く混ぜ合わされることで、ヘビーな内容ながらエンタメとしてもレベルの高い映画となっている。
脚本、ドラマ、キャスト、音楽、すべて文句なしの傑作だ。
まとめ 個人的評価80点
Netflixオリジナル映画で久々に傑作を観た。
オススメである。

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