貧困層の現実!『それでも夜は訪れる』紹介&レビュー

映画

ずっと気になっていた映画をNetflixでやっとこさ観た。
なので紹介&レビューを。

『それでも夜は訪れる』概要

一晩で2万5000ドルを稼がなければならなくなった女性。

出来なければ、家族全員路上生活まっしぐら。

果たして彼女は大金を稼げるのか、家族を守れるのか。

ヴァネッサ・カービー主演、ベンジャミン・カロン監督作品。

・主なキャスト

  • ヴァネッサ・カービー:リネット役
  • ザック・ゴッツァーゲン:ケニー役
  • ジュリア・フォックス:グローリア役
  • ステファン・ジェームス:コーディー役
  • ジェニファー・ジェイソン:ドリーン役
  • イーライ・ロス:ブレイク役

『それでも夜は訪れる』見どころ紹介(まだ観てない人向け)

まず挙げたいのは、主役のヴァネッサ・カービーの演技が見事である点である。
彼女のパワーによりこの映画に引き込まれていく感じだ。
存在感も抜群で、見事にリネットというキャラクターを創り出している。

設定の引きの強さも面白い点だ。
この映画には、『一晩で2万5000ドル』を即集めなければならないという設定のインパクトにつられて観た人が多いだろう。
ただ興味をそそるだけでなく、きちんと内容も面白くなっているのが素晴らしい。
うまく大金を稼がねばならないという設定と絡めて、クライムスリラーとして面白いものを観せてくれる。

社会問題が絡んだ、重たい内容も見どころの一つ。
これは別のNetflix映画『ストロー:絶望の淵で』に近い。
どちらもアメリカ社会の貧困層についての物語だからだ。

物価高に苦しみながら日本で生きている我々も他人事ではない、リアルな問題ではないか。
それに伴い少し重たい映画となってしまっている、しかし今一度これらの問題に目を向けて考えるのも大事なことではないだろうか。
そういったことに目を向けさせてくれるというのもこの映画の良いポイントの一つだ。

以上、見どころ紹介終了。

『それでも夜は訪れる』レビュー(ネタバレあり・観た人向け)

普通の面白さかなという映画だった。
期待感が高かったのでちょっとガッカリというのが正直なところだ。
まずよかったところから言っていこう。

見どころ紹介でも述べたがこの映画で最も特筆すべきなのは、リネット役のヴァネッサ・カービーの存在感だろう。
少し不安定なリネットというキャラクターの内面を、見事に演じ切っている。

あまり派手さがなく割とありふれたジャンル映画の今作なのだが、それでもある程度印象に残るものに仕上がっているのは彼女のおかげだろう。
また兄役のザック・ゴッツァーゲンも素晴らしく、彼のほかの出演作も観たくなった。

ヴァネッサ・カービー演じる主人公リネットはなかなかアウトロー気質で、目的のためなら車をパクるのは当然、金庫もパクりドラッグも売る。
また周囲の人たちも似たようなもので、狂った連中だらけである。
こういったいわゆる”無敵の人”を生んでしまう、アメリカ社会のシステム、その暗部が素直に恐ろしいなと感じた。

また終盤にて、母が荒れていくリネットにもうお手上げ状態で、実は兄だけつれて引っ越そうとしていたことが明かされる。
まあ実際ここまでラインを踏み越えてしまった娘に対して、諦めの感情を持つのも当然かもなと思った。

最後のリネットが兄と母に別れを告げ、家を出ていくシーン。
なかなか爽やかでいいシーンだ。
いろいろと可能性が考えられるが、個人的には手にした金で彼女が人生をやり直していく、そんなルートであれば救いがあっていいなと思っている。

ここからはマイナス点を挙げる。
金策に奔走するリネットは観ていて面白いのだが、いかんせんテンポが悪く若干間延びしてしまっている感は否めない。
都合よく金庫のある金持ちの家に住み着いている知り合いがいるなど、少しご都合っぽく感じてしまうところがあるのも気になる。

あとどうしてもどこかで観たことがあるというか、既視感が拭えない。
オリジナリティのなさもマイナス点となってしまうなぁと感じた。

まとめ 個人的評価55点

ヴァネッサ・カービーを含め俳優陣は素晴らしいのだが、いかんせんほかの要素が少し薄い。
もう少しプラスアルファが欲しかったかもしれない。


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