極限賭博人列伝『端くれ賭博人のバラード』紹介&レビュー

映画

Netflixに期待していた映画がきたので、紹介&レビューを。

『端くれ賭博人のバラード』概要

マカオで破産寸前となっているギャンブラー、ドイル。

どうにかして生活を立て直そうとするが…。

エドワード・バーガー監督によるサイコスリラー映画。

・主なキャスト

  • コリン・ファレル
  • 陳法拉
  • ティルダ・スウィントン
  • アレックス・ジェニングス
  • ディニー・イップ
  • ジェイソン・トビン
  • エイドリアン・ラウ

『端くれ賭博人のバラード』見どころ紹介(ネタバレなし・まだ観てない人向け)

ギリギリのところでもがき続ける、ギャンブル依存症患者のドタバタを楽しむ映画である。
破滅寸前の主人公、ホテル代は滞納、酒に溺れ過去の犯罪から探偵に追われている。
身近にいたら絶対関わりたくないが、映画で観る分には破天荒ぶりがとても面白い。

ただそういったドタバタ部分が楽しいだけの映画ではなく、メッセージ性も込められた映画となっている。
お金、欲とははたしてなんなのか、幸せとは…考えさせられるものがある。

また、コリン・ファレルを目一杯堪能できる映画でもある。
破滅寸前のギャンブラーというなかなかに難しい役どころだと思うのだが、完璧に、見事に演じ切っていた。
あまりコリン・ファレルが出演している映画を観たことがないのだが、他の彼出演の映画を観てみたいと思わせられた。

ティルダ・スウィントンはじめ他のキャストも皆素晴らしい。
映像と音楽もいい感じだ。

以上、見どころ紹介終了。

『端くれ賭博人のバラード』レビュー(ネタバレあり・もう観た人向け)

傑作とまではいかないが、そこそこ面白い映画だった。
テンポが良く観ていて退屈することはなかったし、キャストの演技、映像もいい。
しかし観終わったあとに特別なにか残るものがあったかというと、あまりなかったというのが正直な感想だ。

ただ見どころ紹介でも述べたとおり、お金を全力で追い求めて、あらゆる欲を観たし続けて、はたしてそれは本当の幸せなのか?という点はとても考えさせられた。
映画内でも賭博で勝利し、金の力で豪遊しているドイルと、幻覚ながらダオ・ミンと穏やかな時間を過ごしているドイル、どちらが幸せなのかというと後者ではないだろうか。
こういったことを考えさせられる映画というのはあまり多くないので、そこは評価したい。

コリン・ファレルの演技は圧倒的によかった。
脂汗ダラダラで、どんどん精神的に追い込まれていく賭博人に成りきっていた。

彼演じるドイルというキャラも面白い。
典型的なクズなのだが、どこか憎めない、この采配も見事だ。
ギャンブル映画らしく、彼が負けたり勝ったりの上がり下がりも楽しく観れた。
ダオ・ミンが実は死んでいて、途中からドイルの妄想だったという展開だが、簡単に予想がついてしまったのは少し残念。

最後のドイルが寺院で札束を燃やすシーン。
ここがこの映画のハイライトだと感じる、非常に美しいシーンであった。
その後のどこか哀愁漂う幕引きもいい。

これまで述べてきたように、いいところはたくさんあるし、マイナス要素もそれほどない。
しかし、なにかが足りないというか、惜しいなといった感が拭えないのだ。
傑作になりえるマテリアルはたくさん揃っていたはずだが、いかんせんなりえなかった。
そんな映画であった。

まとめ 個人的評価60点

面白いことは間違いないので、ぜひとも家でゆっくりと観てほしい。


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