ついにギレルモ・デルトロ監督の最新作がNetflixで配信されたので、紹介&レビューを。
『フランケンシュタイン』概要
メアリ―・シェリーの世界的有名ゴシック小説『フランケンシュタイン』。
この言わずと知れた名作がギレルモ・デルトロ監督の手で甦る。
ギレルモ・デルトロ監督・脚本作品。
・主なキャスト
- オスカー・アイザック
- ジェイコブ・エロルディ
- ミア・ゴス
- フェリックス・カメラ―
- デビッド・ブラッドリー
- ラース・ミケルセン
- クリスチャン・コンベリー
- チャールズ・ダンス
- クリストフ・ワルツ
『フランケンシュタイン』見どころ紹介(ネタバレなし・まだ観てない人向け)
まず注目したいのは、ギレルモ・デルトロ監督による、怪物の造形美のすごさ。
古典的な名作なだけあって、怪物をそのまんまのビジュアルで映像化してしまうとどうしても古臭くなってしまう。
しかしそこはさすがのギレルモ・デルトロ監督、現代的でセンス抜群なビジュアルの怪物に仕上がっている。
非常に丁寧に、綿密に組み上げられたストーリーも見どころの一つだ。
自分はフランケンシュタインという作品の存在は知っていても、内容は全く知らなかった。
今回初めてこの映画を観て、こういう話だったのかと驚いた。
多少の変更点、ニュアンスの違いはあれど話の大筋は変わらない。
フランケンシュタインを知らないという人も、ギレルモ・デルトロ監督なりにアレンジされた魅力的なフランケンシュタインを堪能できるだろう。
哲学・倫理観が詰め込まれた話であるところも見どころのひとつだ。
生命、生きること、親子関係など、普遍的だが大切なメッセージが込められている。
どこかドライな感じになってきている現代にこそ、新鮮に感じられるのではないだろうか。
キャスト陣も豪華な役者が揃っていて見ごたえありだ。
以上、見どころ紹介終了。
『フランケンシュタイン』レビュー(ネタバレあり・もう観た人向け)
面白い映画だった。
まず驚いたのは、見どころ紹介でも述べたとおり、怪物のデザインだ。
肌のツギハギもリアルだし、スタイリッシュでありながらどこか異様な不気味さも漂っている。
まさに現代のフランケンシュタインといっていいだろう。
ギレルモ・デルトロ監督のたしかなセンスを感じた。
その怪物を演じたジェイコブ・エロルディも見事にその役を演じ切っている。
フランケンシュタインを演じたオスカー・アイザックも素晴らしいが、さらに素晴らしいと感じたのが儚げなエリザベスを演じたミア・ゴスだ。
どこか不思議な雰囲気を纏った女優で、存在感抜群であった。
この映画のストーリーは、大雑把に言ってしまうと壮大でスケールのでかい親子喧嘩である。
しかも創造主たる父親が100パー悪いという始末。
いわゆる毒親だ。
そんな彼らが心の内を吐露して激しくぶつかりあう、それを楽しむ映画である。
怪物がめちゃくちゃ強いので、暴れるとだいたい大変なこととなる。
強いのもあいまってその暴走ぶりも迫力があっていい感じだ。
怪物は勝手に創り出したくせに邪険にし、しまいには殺そうとするフランケンシュタインを憎む。
フランケンシュタインもまた、大切な人たちを失った悲しみから怪物を憎む。
そんな彼らは最後に北極圏で対峙する。
ここでのフランケンシュタインが自分の罪を認め謝罪し、怪物が赦すというシーンはとても美しかった。
どこかキリスト教的な、神聖な美しさを感じるシーンで、個人的にこの映画のハイライトだった。
その後の怪物が涙を流しながら船を見送るシーン、ここもその後を考えるとかなり切ない、グッとくるシーンであった。
この映画のマイナス点を挙げるとすると、丁寧に物語を紡いでいる分、少しテンポが悪く感じるかもしれない。
しかし、だからこそ怪物孤独や哀しみがより心に残る映画となっていると思う。
まとめ 個人的評価70点
ギレルモ・デルトロ監督の抜群のセンスを感じられる、面白い映画だった。
オススメである。

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